第180章 二人が付き合うのを待ってる

肝心なところで小泉大輔は我に返った。片手をベッドの縁について体を支え、南雲玲奈に本当に覆いかぶさって起こしてしまうのを、ぎりぎりで避ける。

胸の奥で、ふうっと息をつく。すぐに体勢を整え、彼女をそっと寝かせ直した。

南雲玲奈の寝顔は穏やかで、深く眠っているのが見て取れる。ついさっき自分が何をしかけたのかなんて、欠片も知らない。

小泉大輔は呆れたように、けれどどこか可笑しくもなって、ただ布団をきちんとかけ直してから、静かに部屋を出た。

……なのに、さっきの一瞬の感触だけが、まだ首筋に残っている気がする。

そこがむず痒くて、思わず指先で触れる。漆黒の瞳が、ほんの少しだけ深まった。

小泉...

ログインして続きを読む